
ばんえい競馬の馬インフルエンザ発生状況
北海道帯広市が主催する「ばんえい競馬」で、馬インフルエンザの感染が確認されました。
2025年4月25日、帯広競馬場に所属する競走馬3頭が、馬インフルエンザウイルスに感染していることがPCR検査で判明。
これを受け、4月26日から28日に予定されていた第2回ばんえい競馬(1~3日目、計36レース)は中止となりました。
レースへの影響と開催状況
感染が疑われたのは4月22日頃からで、帯広競馬場内の厩舎で発熱や呼吸器症状を示す馬が出始めました。
検体を用いた簡易検査とPCR検査の結果、3頭が陽性と判明。
馬インフルエンザは家畜伝染病予防法に基づく「届け出伝染病」であるため、関係機関に届け出がなされ、競馬開催は見送られました。
なお、北海道内での発生は2008年以来、実に17年ぶりとなります。
同競馬場では2023年には悪天候で開催中止がありましたが、感染症による中止は異例です。
2007年から2008年には全国的な馬インフルの流行がありましたが、当時ばんえい競馬では感染例は確認されませんでした。
馬インフルエンザとは?
馬インフルエンザとは、馬インフルエンザウイルスによって引き起こされる呼吸器感染症
で、発熱、咳、鼻水などの症状を呈します。
感染力は非常に強い一方、致死率は低く、ほとんどの場合は対症療法で回復が可能です。
現在感染した馬に対しても治療が進められており、殺処分などの必要はありません。
- 正式名称:馬インフルエンザ(Equine Influenza)
- 原因:馬インフルエンザウイルス(A型)
- 症状:発熱、咳、鼻水、食欲低下などの呼吸器症状。
- 致死性:低い(多くは自然治癒や対症療法で回復)
- 感染力:非常に高く、馬同士で急速に広がる。
- 発生例:2007~08年には全国的に流行。
馬インフルエンザのワクチンと予防策
馬インフルエンザにはワクチンが存在し、JRAの施設などでは接種が義務化されています。
馬インフルのワクチン接種が済んでいない馬は、施設に入厩できない場合もあるため、今後の感染拡大防止の鍵となります。
- ワクチンあり:予防接種により感染を防ぐ・症状を軽減可能。
- JRAなど多くの競馬関連施設では、ワクチン接種が必須。
- 入厩条件として予防接種の履歴確認が行われることもある。
馬インフルエンザは人に感染する?食肉への影響は?
また、馬インフルエンザは人間には感染しません。
そのため、馬肉を含む食肉の安全性には問題はなく、消費者への健康被害の心配もありません。
感染があっても食用馬が処分されるようなことは原則としてありません。
その他の対応措置
帯広競馬場では、現在感染拡大を防ぐため、厩舎や競争エリアの消毒、感染馬の隔離、馬の移動制限などを実施しています。
また、場内の「ふれあい動物園」も一時閉園となっています。
なお、場内での他の競馬場のレースの馬券販売は通常通り継続されています。
今後のレース再開については防疫措置の進捗や感染拡大の有無を慎重に見極めたうえで、判断される見通しです。
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